手紙~親愛なる子供たちへ~
2010年3月4日 日常
地方紙に紹介されていた一節が、とても心に沁みた。
自らの老いと向き合う作者の語りは、
自分の親のことと重なってくる。
やがて、もっともっと弱くなるだろう親の呟きのようで、
胸が締め付けられた。
『手紙~親愛なる子供たちへ~』
自らの老いと向き合う作者の語りは、
自分の親のことと重なってくる。
やがて、もっともっと弱くなるだろう親の呟きのようで、
胸が締め付けられた。
『手紙~親愛なる子供たちへ~』
年老いた私がある日今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も練り返しても
その結末をどうかさえぎらすにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ消え去ってゆくように見える私の心へと
励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った懐かしい日のことを
悲しい事ではないんだ 旅立らの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり自分が無カだと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけでそれだけで私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たらへ
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