しばらく、日記を書いていなかった。
伊藤明彦氏が亡くなって、被爆者の声をWebにのせる活動をしている同級生からの、
情報をいただきながら、いつもは速攻で返信するのに、
あまりのことに、言葉が足りず書いても書いても、表現が稚拙に思われ、
それにお悔やみを返信することもなく、ずるずる時間がたち、多忙とは、
心が死ぬことと、実感しつつ、死んではいないと、いつかは書くと、
そのきっかけの本。

『何と言う伊藤氏のいきざまなのだろう。この純粋さはなんだろう?
何が駆り立て、何に傷つき、一生を賭したのか?』
アナウンサーとしても、的確な日本語をお使いになり、
ともすれば等閑にされがちなことまできちんと戻し、
正統こそ美しいと実感させられた場面がDVDに残っている。

以下、メールの引用にて お悔やみにかえたい。

(リンクは長崎新聞だけが繋がりました。4月19日現在)

件名:被爆証言者の声 お悔やみ
差出人: F    送信日時: 2009年3月4日 18:14:14

伊藤明彦さんが、3月3日 午後8時34分、お亡くなりになりました。 風邪をこじらせて、肺炎で。ご入院さきの病院にて。前日にご入院とのことでした。お姉さま お二人に看取られて。最後まで、これからの被爆者取材に思いを馳せていらしたとか。 伊藤さんは、昨年秋より長崎に赴かれて、取材を続けていらっしゃいましたが、今年になり、体調が思わしくなく、いったん東京に戻っておられました。『暖かくなったら、また長崎に』 とか仰っていました。 生前より、献体の手続きをとっておられ、ごく近しい方々でお見送りの後、ご遺体は、献体に回ったそうです。よって、告別式などは行われないそうです。

件名:あるじのいないプリンター
差出人: 被爆者の声管理人F
送信日時: 2009年3月6日 14:37:15 1 つの添付ファイル Ito-san.jpg (65.1 KB)


被爆者の声 管理人 古川です。 伊藤さんの大きさゆえ、一昨日来、たくさんのメールを頂き、個々にご返事したり、新たにお伝えすることが困難な状況になっています。失礼は重々承知の上、bccにて送信させていただきます。ちぐはぐな部分もあろうと思いますが、、すみません。--------昨日(5日)、伊藤さんの部屋を訪ねてきました。 パソコンがついたままになっており、プリンターが『インク切れ』のサインを点滅させていました。そばには、印刷したての「被爆者の声を聞いてください」のチラシが、百枚ずつタテヨコ向きを変えて、およそ400枚重ね置かれていました。・・・夜中に印刷していた様子。 玄関には、伊藤さんが緊急搬出された後に届いた新しいプリンターの箱。もとからお持ちのプリンターは、家庭用で、量(枚数)を刷るには向きません。新しいプリンターは、白黒専用で印刷が速い業務用のタイプ。渋谷のお店から配達された物で、出荷日は3月2日。 チラシをたくさん印刷しようと思った伊藤さん。手持ちプリンターの「遅さ」にいらだち、速いプリンターを求めたのでしょう。入れ替わりに届いたプリンターが悲しいです。 『風邪気味』ということで、2月27日に近所の医院に受診。ネットで注文するほどのノウハウは持っていない伊藤さん。小康状態になったのか お店まで出かけたのでしょう。おそらく3月1日。3月1日には新宿に出かけていた、との説もありますが、いずれにしろ。 2日朝。『食事』の知らせに返事のないのを心配したホームの方が駆けつけたときには、意識も もうろうとした状態だったそうです。 実は、伊藤さん、街で印刷したチラシの在庫をたくさん持っているのです。2月20日、伊藤さんのリクエストでチラシの内容を少し手直ししました。言ってもしかたないことですが、以前のでも意図は十分通じたのに。 - -昨年11月のメール。 伊:「人生 先発・完投」とか。 この作業、たまたま「先発」で40年前始めました。 「完投」ということになるのかどうか判りませんが、 語ってくださる被爆者がいる限り、今しばらく試みてみます。 古:伊藤さんは、完投されて、延長中かも知れませんよ。- - 『うんにゃ、おいがもろうたとは努力賞ばい』。『作品賞じゃなかけん。』と語っていた伊藤さん。 それでもやはり、『伊藤さん、もう よかですばい。 あぁたはようやった』。と、声をかけてあげたいです。 - -一昨日来、新聞・電波メディアから多数の取材を受けました。 幾人の方から聞かれた質問。『今後、活動を引き継いでいかれますか?』私は、答えに窮しました。 『えぇ、故人の遺志を継いで・・・・』 否。そう簡単じゃないです。レベルが違いすぎます。薄っぺらな返答はできませんよ。。。 最近のビデオ取材を通して、伊藤さんがもっともやりたかったことは、『被爆者に英語で語ってもらった声』の世界発信。 膨大に残されたビデオ取材テープ。(一部の方に280名超とお伝えしましたが、正しくは326名まで メールのやり取りを見直し確認出来ました。) 幸い、私と伊藤さんが知り合った同時期に、知り合ったプロのビデオカメラマンの方がいます。難波稔典さんという方です。伊藤さんは、ゆくゆくは難波さんに手伝ってもらいながら、ビデオ編集をされるつもりでした。 テープの中から、英語による物を抽出し、(17名程度と聞いた憶えがあります。うろおぼえ)難波さんに編集して頂くことから始めたいと思います。 伊藤さんは、取材した直後に、内容を文字に起こし、『ここ』とマーキングされていたと聞いています。     (ほんと、マメなお人) 並行して、現在の「被爆者の声」に中国語字幕を付けるプロジェクトも、昨年から進行していました。諸事情により、ディスク9枚分の公開は難しくなりましたが、ディスク1~3(広島編)の完成を目指して頑張っていただくつもりです。この部分だけの公開でも、目的は十分達せられます。 個々のメールの返事にはなっていないです。ご了承のほど。 ------メディア各社のおくやみ報道
NHKhttp://www3.nhk.or.jp/news/k10014567951000.html#
読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20090305-OYT1T00626.htm
毎日新聞http://mainichi.jp/select/person/news/20090305k0000e060073000c.html
日経ネットhttp://www.nikkei.co.jp/news/okuyami/20090305AS1G0501105032009.html NBChttp://www.nbc-nagasaki.co.jp/news/nbcnews.php
長崎新聞http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CN20090305/ob2009030501000279.shtml NHK広島http://www.nhk.or.jp/hiroshima/lnews/03.html

件名:NBCのサイトが正しく伝えています
差出人: 被爆者の声管理人F
送信日時: 2009年3月7日 8:44:10


多くのメディアが伊藤明彦さんの死去を伝えてくれていますが、誤記(著しくは毎日新聞、家族被爆死と。 抗議し訂正を申し込み済み)があったり、ニュアンスが違っていたりしますが、NBCさんは正確です。おそらく数日で消えるので、ご覧ください。
http://www2.nbc-nagasaki.co.jp/houdou/index.php?itemid=7034
NBCさん、以降は「平和と長崎」コーナーへ移すなど なるべく長~~~く残してください。

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